建築コース長挨拶
 建築コースは,幅広い知識・技術を備えた実践的な建築技術者を育成するために,1968年に建築学科として創設されました. 2016年にこれまでの5学科が創造工学科の一学科体制となりましたが,建築コースとして引き続き建築を学ぶ学生を育成し, 1800名を超える卒業生を輩出してきました.卒業生たちは,建設業,製造業,サービス業,官公庁など様々な分野で活躍しています.
 また,大学へ編入学する学生や,卒業後専攻科に入学し,そこから企業へ就職,あるいは,さらに大学院進学へ進学する学生も増え, 進学も含めて色々な選択肢があります.

 建築は非常に幅広い学問と言われています.
 古くは遺跡や古建築に遡り,3000年以上前につくられた歴史的な構築物が存在し,今でも保存されています. その一方で,現代でも,もちろん,新しい建物がつくられ続けています. 建物の規模は住宅やコンビニエンスストアから超高層建築や空港,工場など小さなものから大きなものまで様々です. また,建築物は当然ながら人が活動するための空間であり,安全な構造であることは必須条件で,かつ,省エネルギーで快適な環境を提供する必要があります. このような技術的・工学的な側面を持つ一方で,建築には芸術的な感性を必要とするデザインや, 人の行動を考慮した建築計画学,歴史的な観点で建築を考える歴史学もあります.これが幅広い学問と言われる理由です.
 そう言われると,建築を学ぶことは大変に聞こえるかも知れませんが,逆に考えれば,建築の中には,必ず,何か面白いこと,興味の持てることがきっとあるはずです.

 建築コースでは,このような幅広い専門分野を計画系,環境系,構造系,生産系の4つの系に整理したカリキュラムを提供しており, 学生たちは座学や演習,実践を通じて基礎知識・技術を修得していきます.さらに,建築コースでは芸術的センスや創造力の育成にまで力を注いでいます.

建築コース長 岩下 勉